※3年前の文章の修正版
Title01:雪
東京に住んでいると、冬に雪は降ったり降らなかったりするものだが、今年の雪は3月も末、29日に降った。暖冬が続き、スキー場でも雪不足と言っていた中、東京ではすでに桜が見ごろを迎えた中での雪だった。
この日は高校時代の友人が結婚式を挙げる日でもあった。雪の予報を聞いたときは「何もこんな時に」と少し残念に思ったのだが、当日になるとその気持ちは変わった。式場の和風の庭園に降りしきる雪は、思いのほか綺麗だったからだ。流れ落ちる滝に雪がちらつき、凍てつく寒さを表していたが、いかにも日本の冬景色だった。新婦は白無垢姿であらわれて、それもまた雪景色によく映えた。
式場に向かう道中は桜も咲いていて、そこに雪が降っているのも珍しい景色だった。同じものを前にもみた気がする。もうだいぶ昔、たしか高校生の頃、学校の校庭に桜が咲いていて、雪が降った日があったのだった。桜吹雪の季節に雪が舞っていて美しかった。ちょうど新婦と過ごした高校時代と同じ景色を見ることになったのもめぐり合わせなのかもしれない。
もちろんこの日は厳しい寒さだったが、季節の入り交じった不可思議な情景と、温かな結婚式が、すごく特別な日として記憶された。雪の結婚式もいいものだった。
その日、帰り道にネット上の記事で、千鳥ヶ淵の桜に降り注ぐ雪の写真を見た。それも本当に幻想的な風景だった。後日行ってもこの光景は見られないけれど、それでもこの桜を見たくなり、咲いているうちに千鳥ヶ淵を訪ねることを心に決めた。ともかく2020年の3月29日はそのぐらい美しい日だった。
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2020年のこの日のことは本当によく覚えてる。
電車も遅れたり止まったりで大変な一日だったけど、春の雪は美しい。
そもそも私は雪が好きだ。
春の雪以外にも人生で出会った雪景色を色々記憶している。
小さいころ舞い降りてくる雪を見上げながら歩いていたら足を滑らせて尻もちをついたことも痛みとともに記憶しているし、友人といった露天風呂に降っていた雪も。
碌に滑れないのに毎年のようにゲレンデに行くのも雪を見るためみたいなところがある。
冬は雪景色アルバムが増えるかもと考えるだけで楽しみな季節だ。
(まれ子)